Mikoがアトピーであることが分かったのは、2020年5月です。
Mikoが1歳10か月のときでした。
その時の検査結果をブログに記録として残しておきます。
また、アトピーはアレルゲン(食品)に対してIgEという抗体(免疫ブロブリンE)が過剰に反応して引き起こされます。
IeE抗体の知識についてもまとめました。
また、Mikoのアレルゲンである牛乳に含まれるカゼインについてもまとめました。
採血日:2020年5月2日
受付日:2020年5月7日
報告日:2020年5月8日
アレルゲン名 CAP16(アトピー乳幼児 | 測定値 | クラス |
---|---|---|
ダニ1(ヤケヒョウヒダニ) | 0.12 | 0 |
スギ | 0.10未満 | 0 |
ネコ(フケ) | 0.26 | 0 |
イヌ(フケ) | 2.41 | 2 |
ゴキブリ | 0.63 | 1 |
牛乳 | 53.9 | 5 |
卵白 | 26.3 | 4 |
オボムコイド(耐熱性卵蛋白) | 0.11 | 3 |
ソバ | 0.83 | 2 |
コムギ(実) | 18.4 | 4 |
大豆 | 10.1 | 3 |
ピーナッツ | 1.15 | 2 |
エビ | 0.12 | 0 |
サケ | 0.69 | 1 |
マグロ | 0.12 | 0 |
イクラ | 0.10未満 | 0 |
項目名 | 結果 | 基準値 |
---|---|---|
IgE | 430IU/mL | 170IU/mL以下 乳幼児は30IU/ml以下 |
判定 | 抗体価(UA/mL) | クラス | 発症率 |
---|---|---|---|
陽 性 | 100.0以上 | 6 | 100% |
陽 性 | 50.0以上 | 5 | 85% |
陽 性 | 17.5以上 | 4 | 50% |
陽 性 | 3.50以上 | 3 | 38% |
陽 性 | 0.70以上 | 2 | 13% |
擬陽性 | 0.35以上 | 1 | 3% |
陰 性 | 0.34以下 | 0 |
(注)クラスは発症の可能性を示すもので、例えばクラス4では50%の確率でアレルゲンが原因で発症する可能性あるということです。
Mikoにアトピー症状がでるハッキリした食材(アレルゲン)は牛乳です。
ほんの少しの量でも激しく痒み症状があらわれます。
検査結果でも、牛乳に対する特異IgEの値が5.39でクラスが5なので、85%の確率で牛乳がアレルゲンであることを示しています。
卵白も値が26.3でクラスが4なので、50%の確率でアレルゲンである可能性があります。
コムギ(実)も18.4でクラスが4なので、50%の確率でアレルゲンである可能性があります。
IgE抗体の量は乳幼児の基準値が30IU/ml以下なのに対して、Mikoは430IU/mLもあります。
■免疫グロブリンIgE の基礎知識
IgEに対する
特異抗体を用いて血清中に存在するIgEの総量を測定するのがRISTであり、
アレルギーの原因となる抗原(アレルゲン)に対する特異なIgE量を測定するのがRASTです。
アレルゲン特異的なIgE抗体は、肥満細胞や好塩基球に付着しています。
アレルゲンが体内に侵入すると、
これらの細胞(肥満細胞や好塩基球)の上で抗原・抗体反応が生じ、その結果、
ヒスタミンやSRS-Aなどのアレルギー反応誘起化学伝達物質が細胞から放出され、
Ⅰ型(即時型)アレルギーが発症します。
アトピー性疾患、気管支喘息のアレルギーを起こしている物質(アレルゲン)の検索には欠かせない検査です。
スギ、HD などを初めいろいろな花粉症をおこす吸入性抗原および皮膚炎の原因になる食事性アレルゲンが明らかに出来る検査として臨床的に有用です。
したがってアレルギー性疾患では、RISTで IgE総量を測定するとともに、RASTでアレルゲンの検索同定を行うことが重要です。
疾患活動性や治療効果の評価にも有用。アレルギー性疾患が認められなくてIgE値が高い場合は、寄生虫疾患や他の疾患の検索を行います。
Mikoは牛乳がアレルゲンですが、牛乳のなかに含まれるカゼインがアレルゲンの正体です。
カゼインについてもまとめました。
すこし難しい内容ですが、
要するに、
牛乳に含まれるカゼインとうタンパク質は、牛特有のタンパク質であるため、それを摂取すると異物(アレルゲン)と見なして、IgE抗体がそれを排出しようとして異常に反応してアレルギー症状がでる、という内容です。
■カゼインの基礎知識
カゼインは、牛乳に含まれる乳タンパク質の約80%を占める。一般に乳固形分と呼ばれる成分の主要成分の一つです。
その構成成分は単一のタンパク質ではなく、大きく分けて下記の3種類に分類されます。
α-Casein(アルファ カゼイン)
β-Casein(ベータ カゼイン)
κ-Casein(カッパー カゼイン)
カゼインは、そのタンパク質を構成するアミノ酸のうち、セリンに由来する部分(セリン残基)の多くにリン酸が結合した、リンタンパク質(リン酸化タンパク質)の代表的な例です。
この特徴のため、カゼインは分子全体としてマイナスの電荷を帯びており、カルシウムイオンやナトリウムイオンと結びつきやすい性質を持っています。
牛乳中では特にカルシウムと結合してカルシウム塩の形で存在し、結果として牛乳中でカルシウムの安定な運び屋として機能します。
牛乳中においてカゼインは、カルシウム−カゼイン−リン酸複合体の形で存在していますが、このときカゼインのうちで特に水溶性の高いκ-caseinの働きによってこの複合体はミセルを形成します。
この結果、カゼインは一種の「安定剤」として、牛乳を均質なコロイド溶液にし、またその不溶性成分が析出することなく均質な状態を長期間保つ役割を果たしています。
またカゼインは、等電点であるpH 4.6において放置することで、牛乳から容易に分離することもできます。
カゼインは、ヒトの乳汁においても同様に存在しますが、人乳においてはα-caseinの量が牛乳に比べて著しく少ない事が知られています。
また、このα-caseinはヤギ乳においても存在量が少ない事が知られています。
牛乳を飲んで牛乳アレルギー症状を起こす人の多くは、α-カゼインが原因(抗原)であると言われています。
カゼインにはアルファ(α)-カゼイン、ベータ(β)-カゼイン、カッパ(κ)-カゼインの3種類があり、さらに、アルファ(α)-カゼインには「アルファS1-カゼイン」と「アルファS2-カゼイン」に分かれます。
難消化性でアレルギーを誘発するのは「アルファS1-カゼイン」というタイプのカゼインで、これが牛のミルクに多く、山羊のミルクには少ない。
牛ミルクと山羊ミルク、同じカゼインでも形状が異なるのです。
ちなみに人間の母乳にはアルファS1-カゼインは含まれていません。
アトピーの症状がでないようにすること、最終的にアトピーを克服することを皆で目指しています。
そのためには、敵(アレルゲンやIgE抗体)の正体を知ることが必要です。
そして、これは長い戦いですが、Mikoが小学校へあがるまでが特に大事な期間ですので、一段と細心の注意をはらって克服を目指していきたいです。